古いマンションの購入を後悔するのは建替えできないリスク
中古マンションを購入した理由で、「安い」というメリットにひかれて決断した、という点がありますよね。
年月がそれなりに経過しているマンションは、住んでから何度も「建て替え」の話が出てくることがあります。
見た目も古くて、設備も古いとどんどん使い勝手も悪くなります。
とはいっても、一戸建てと違って、マンションは簡単に建て替えができないのは、素人目に見てもわかりますよね。

古いマンションに住んでいるんですが、このまますみ続けるか、売却するか、迷っているんです。

古いマンションには、建て替えができるか、という致命的なリスクがあるので、そこがクリアーできるか、がポイントでしょうね。
古いマンションに住み続けると、どんどん資産価値が下がってしまう理由が、設備や管理です。
古いマンションに住み続けて、建て替えの話の経過次第では、売却を検討した方がいいですね。
老朽化するマンションの修繕するための共用部分の変更には決議が必要
マンションは、完成と同時に老朽化が始まると言われていますよね。
更に年数が経過すると 外壁の塗り替え、防水設備やガス・水道の配管の取り替えが必要ですしね。
場合によっては、住民の状況に合わせた改良工事が必要となることもあります。
古いマンションに住んでいると、経験しがちな工事は、エレベーターを設置したりするイメージですよね。
共用部分の変更には、重大な変更を加える場合と、軽微な変更にとどまる場合とがあります。
重大な変更を行う場合には、管理組合の集会で特別決議(区分所有者者及び議決件数の各4分の3以上の決議)が必要です。
これに対して軽微な変更は普通決議(過半数の賛成)で行うことができます。
重大な変更.
- 共用部分の形状または効用(使いみち、用途)の著しい変更。
修繕金額や規模の大小は無関係。 - 廊下の一部を改造してエレベーターに変更
- 集会室を廃止して賃貸事務所に転用など
軽微な変更
- 形状または効用の著しい変更を伴わないもの。
- 外壁や手すりの塗装
- 屋上防水工事などの修繕 ・耐震補強工事、バリアフリー化の工事など
共有部分の変更にあたる行為をするために、ある専有部分の日照や通風に障害を及ぼすなど、使用に特別の影響を及ぼす場合には、そ の専有部分の区分所有者の承諾が必要となります。
そうやって、古いマンションに住み続ける中で、最もリスキーなのが、建て替えの話題が出てきたときです。
それでも古いマンションに住み続ける?
中古マンションを持ち続けて、自分で住むにせよ、他人に貸すにせよ、避けて通れないのが建て替えの問題です。
マンション建替え円滑化法によって以前より手続きがスムーズになったとはいえ、住人のある程度の意見の一致が必要なことに変わりはありません。
住まいが痛んできて建て替えの話が出てきた時、住んでいる人が70代だったら、このままでいいよ、と賛成が得られないケースはすぐに想像がつきます。
一方で、30代前後の人であれば、建て替えを前向きに検討するかもしれません。
建て替えは住んでいる人にとって大きな負担
ただし、建て替えの期間中の住居費用(賃貸生活の家賃)は、取り壊し期間・建築期間にわたって1年以上かかり、大きな負担になります。
ローン返済でいっぱいいっぱいになっている世帯では、その建て替え期間中の住居費用の捻出が難しいので、若い人のすべてが賛成するとは限らないです。
相続で争っている人や、差し押さえになっている物件もあるかもしれないですし、建て替え決議はズルズルと長引くことも多いです。
地震などの大きな災害にあってしまうと、古いマンションほど大きな修繕が必要になりますよね。
そうなると、間に合わせの修繕で対応するということになるのですが、建て替えをしたい人たちからすると建て替え原資がどんどん目減りしていくと思ってしまうのです。
かといって、いい加減な修繕では、資産価値がますます下がってしまうことになりかねません。
はっきりしない状態が続くと修繕積立金を滞納する世帯が出たり、空室が発生して管理費不足などでメンテナンスが行き届かなくなってしまう可能性もあるのです。
こういうことがあるので、これまですっきり建て替えができたマンションは実はごく一部なのです。
建て替え後に今より広い間取りになったり、持ち出しになるお金の少ない、空いている敷地内に新築できる広さがあって建て替え期間中もそのまま住み続けていられるなど、恵まれた物件でないとなかなか難しいのが現状です。
年々賃貸に出される物件の割合が増えていくことも、建て替え決議を難しくしている理由の一つです。
そういったことを考えると、古いマンションに住んでいるなら自宅を売るか、違うところに引っ越すかの比較になるのかもしれません。
ネットで依頼すれば、簡単に1分程度で今の自宅を査定してくれます。
もちろん費用は無料です。