任意競売は競売よりメリットがずっと大きい

「もう、住宅ローンが払えない・・・・」

 

ローンが返済できないと言っても、リストラ、離婚、病気など、理由はさまざまで、中には聞きたくなくなるようなつらい話もあります。

 

住宅ローンが支払えなくなると、家を売りに出す、とはよく言われます。

 

そういう状況の時には、ほとんど普通に売りに出すのはあきらめで、「競売」を想定することが多いです。

 

そんな時に、任意売却の手段で不動産を売却できる方法があるんですね。

 

任意売却には競売と比較した場合、4つのメリットがあります。

  1. 競売よりも高く売却ができて、債務(借金)を減らすことができる
  2. 隣近所に知られずに売却することもできる
  3. 債権者との交渉次第では引っ越し代を捻出できる
  4. 賃借人は、これまでと同じように住み続けられる

「住宅ローンが支払えないから競売を覚悟」の前に、任意競売という手段を考えると、展望が開けてきます。

 

 

任意売却とは

任意売却の手続きは不動産売買の手続きとほぼ似ている

 

競売などの強制執行を回避することを目的とした売買で、不動産所有者の意思で不動産を売却することを任意売却と言います。

 

住宅ローンの返済が困難になった時に、所有している不動産を、弁済金や弁済時期などに関する金融機関の同意を得て処分できる方法なんです。

 

だから、任意売却の方法は、債務者にとってはメリットのある方法です。

 

マイホームなどの不動産を取得する場合、抵当権を設定して住宅ローンを組むことが一般的ですが、返済期間は20〜30年という長期にわたるので、途中で離婚や退職など思ってもいない事態になって支払いが困難になる場合もあります。

 

そうなった時に、一般的には、住宅ローンの返済ができなくなってしまうと、金融機関などの債権者は、競売で貸したお金を回収することもできます。

 

しかし競売するにしても時間と費用がかかったり、また、競売価格が実際の価格よりも低い価格になりがちです。

 

競売による処分の場合、競落価格は市場価格よりも3〜4割程度安くなります。しかも、抵当権が後ろにある債権者にはほとんどお金が回りません。

 

不動産競売は手間と時間がかかる上に、納得できるような金額で回収できない場合があります。

 

このような場合に競売によらないで、買受人との直接交渉で売買を成立させる任意売却が利用されることがあるんですね。

 

担保権者が物件所有者の同意の下に、第三者の買受人に売却していくという手続きなので、通常の売却方法と似ているのです。

 

市場で、可能な限り高く処分して、各債権者への弁済金を少しでも増やす方法が任意売却です。

 

お金を貸した金融機関からすれば、融資したか資金を回収できればいいわけなので、リスクの高い競売よりも、任意売却を検討する余地も出てきます。

 

任意売却を行う場合、担保権者としては、まず物件所有者の同意を取り付けることから手続きを始める必要があります。

 

物件所有者との交渉がまとまりさえすれば、あとはなんとかなりそうだと思えそうですが、ことはそう単純ではありません。

 

任意売却の特徴

 

任意売却では、各債権者の担保権抹消の同意や協力が得られることが前提です。

 

任意売却の狙いは、もちろん競売価格で売却するよりも、高く売ることにあります。

 

任意売却は、「任意」と名前が付いているのですが、その手法は通常の不動産の売却手続きと変わりません。

 

そのため、実売価格での売却も期待できるし、金融機関などの債権者も任意売却での売却を後押しすることもあります。

 

なので、購入する側にとっては、競売で購入するよりは割高になります。

任意売却 意味 流れ

 

だいたい一般不動産の8割程度の値段になって、競売よりは1割から2割程度高くなります。

 

しかし、競売とは違って、確実に不動産を入手できること、占有者が確実に立ち退く(ほとんどが所有者が占有している)ことに買主にとっては大きなメリットがあります。

 

競売の場合は、入札期間内に最高値をつけた人が買受けることになるので、買主を選ぶことができないのですが、任意売却の場合は、親戚に買ってもらうというような買主を選ぶことができて、後々払い戻す機会が出てくる場合もあります。

 

任意売却の登場人物は、基本的に

  • 担保権者の金融機関
  • 物件所有者
  • 第三者の物件買受人

ですが、他に、複数の債権者がいる場合があります。

 

例えば、物件に2番、3番の抵当権者がいたり、物件所有者が税金を滞納して国などによる差し押さえがなされていたりすることも珍しくないです。

 

こうなった場合には、後順位の担保権者に担保解除料を支払ったり、国や地方自治体などに差し押さえを解除してもらう旨の交渉をする必要も出てきます。

 

任意売却で不動産を処分しても、全額弁済が事実上不可能であることが前提になっているので、各債権者には、全額弁済はできないけれど、このお金で担保権の抹消に応じてください、とお願いすることになるんですね。

 

任意売却の手続きを進める人は不動産業者

 

任意売却というと、破産がらみのイメージがあるので、弁護士が手続きを進めるような気もします。

 

でも、任意売却の手続きを実際に進めるのは不動産業者なんですね。

 

破産申立代理人や破産管財人の弁護士や銀行などの債権者、住宅ローンで困ったお客さんが宅建業者に依頼して、任意売却の方向を選択することになります。

 

依頼を受けると、まず不動産の調査から進めることになるんですね。

 

任意売却を進める手順

  1. 不動産の調査、査定を行う
  2. 依頼者や各債権者に査定書を提示して、査定の根拠を説明する
  3. 依頼者や各債権者に計画書、配分案を提示し、販売開始の許可を得る
  4. 買受希望者が現れた場合、買受希望額による配分案を作成し許可を得る
  5. 依頼者と各債権者の同意が得られたら、「停止条件付き売買契約」を締結する
  6. 契約後に全債権者の同意が得られて、条件が整ったら、決済準備をする
  7. 決済時に確定配分表に基づいて、各債権者や関係者に支払いを行う

実際の手続きは、破産の法律関係の弁護士がやるようなことに近いですが、任意売却とはいえ不動産売買です。
実際に不動産を売買できる許可があるのは不動産業者なんですね。

 

法律に詳しい弁護士さんも、不動産売買はできないよね、ってことなんですね。

 

不動産売買なので、任意売却の査定と実際の不動産価格との比較で気になるのであれば、ネットで市場の査定価格を知ることもできます。

 

任意売却の売却期限

 

任意売却の手続きでは、債権者の競売申し立てと同時に行う、という場合も多いんですね。

 

こうなると、業者が依頼を受けてから、3ヶ月程度で決着をしなければならないんですね。

 

経済的事情による処分という個別事情が、限られた期間内で確実に売却できるようにしなければならないからです。

 

だから、不動産の査定評価にへだたりがあったり、金融機関が強気で交渉が難航してしまうと、タイムアップになってしまうこともあります。

 

この短期間のうちに、不動産業者は、各債権者に契約書や配分案を提示する時に、実現性の高い価格と時期が提示できるか、にかかっているんですね。

 

「いつまで」に「いくらで売却」して「いくら弁済」したら担保権の末しょうに応じてもらえるか、ということです。

 

任意売却の依頼をしたら、市場の査定額より下回っていたとしても、できるだけ柔軟に売却できるようにしないと、最後はもっと価格の低い競売になってしまいます。

 

任意売却でかかる費用

 

任意売却を行う際には、当然に様々な費用が発生します。その場合に、それらの費用をもともと誰が負担するのかを明確にしてから売却価格を見積もられます。

 

かかる費用としては、引っ越し代、立退料、敷金、対応している税金などがあります。

 

物件所有者の同意、物件の調査、買受希望者の意思確認、利害関係人の調整が終わった後に、買受希望者との間で売買契約書にサインをします。

 

それが済んだら、契約に基づいて買受人が担保権者に代金を支払い、後日、利害関係人に配分表に基づいた支払いをすることになります。

 

任意売却の金融機関への「配分案」

 

任意売却する際に売れた価格を配分する配分額の調整は大きなポイントになります。

 

一般的には、登記費用、仲介手数料など、売却に関わる諸費用を差し引いた残額を配分します。

 

登記簿謄本の乙区に記載されている順位によって、配分額を取り決めていきます。

 

ただ、税金や保険などの差し押さえ登記があると、優先されて法定納期限の支払いで順位を決める場合があります。

 

任意売却する不動産は債務超過の状態にある場合が多いので、一番抵当権者に配分したら後順位抵当権者にはほとんどお金が残りません。

 

これでは、後順位者の協力を得ることができなくなってしまいます。

 

実際の任意売却の時には、いわゆるハンコ代程度として、数万円から数10万円を配分して同意をもらうことが多いですね。

 

競売なら0円なので、任意売却に対しての協力費用ということです。

 

任意売却と費用として認められる項目とは

 

  • ○ 登記費用
  • ○ 仲介手数料
  • △ 売主の引越代

不良債権を回収しえなガス、サービサーと呼ばれる債権回収会社の場合、費用に関しても厳しい規定があって、印紙代や登記費用でも、抵当権抹消登記以外の費用は認められないことがあ多いです。

 

例えば、司法書士の手数料報酬などは認められないことが多いです。

 

売主の引越代には、任意売却であっても住んでいるわけです。

 

スムーズに物を引き上げて待機してもらうための「立退料」のようなもので、手元に一円も残らない売主が最後まで投げやりにならないように努力しようとする動機の一つだったりします。

 

そういった温情措置的なこともあって、引越代の相場は10万円から30万円程度になっています。

 

任意売却のメリットと注意(まとめ)

 

任意売却は、本人の意思(任意)で売却することができます。

 

この任意売却は、債権者と債務者との協力で行われるので、債務者にもメリットがあります。

 

例えば、売却代金でローンの残債が完全に返済できなかったとしても、毎月の返済額を減らしてもらったり、残債自体の見直しをしてもらえたりすることもあります。

 

ただ、任意売却が成立したからといって、破産して免責を受けない限りは、債務が帳消しになるわけではないんですね。

 

残った債務(残った借金)に関しては、債権者と返済計画をたてることが必要になります。

 

とはいっても、すでに家も土地も処分して、事実上返済が困難な状況なのは、債権者も理解しています。

 

「月々1万円ずつ」という現実にあった感じで続けられる返済額を取り決めることも多いんですね。

 

任意売却のメリットを感じたら、早めに、そして専門知識のある任意売却をサポートする業者に相談しましょう。

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