不動産の買取保証制度を使うと売主が損するのは業者が売却の営業をしなくなるから

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売却営業せず再販で利益を得る業者にあたると売主は損する

不動産売却で買取保証制度を使って大損した人

 

不動産売却を業者に依頼した時に、「買取保証」の制度を勧められることがあるかもしれません。

 

買取保証は、その名の通り、売ろうとしているものが売れなかったら、責任持って買い取りますよ、というものです。

 

売れない場合のことを考えると、とても安心感のある制度ですよね。

 

でも、不動産の買取保証制度は、売主の目から見るのと、不動産会社の目から見るのと、違うんですね。

 

売主側にすれば、最低売却価格が保証されているので安心、かもしれません。

 

実は、不動産会社からすると、媒介契約を結んだ時点からすでに、売れない場合を見越しているんです。

 

いや、売れない場合ではなく、売らないようにしているんですね。

 

売らないようにすることで、業者は大きな利益を得る仕組みなんですね。

 

でも、本当に買取保証をしている会社が売主のためをもっていないかが、わかりにくいんです。

 

それは、売主にはわからない、不動産会社の営業活動に隠されているからです。

 

ここでは、不動産買取保証を使った場合に、売主が、業者の思惑にはまって、損してしまう事例を詳しく紹介します。

 

 

 

不動産買取保証のシステム自体が悪いわけではない

 

買取保証というシステム自体がダメという話ではないんですね。

 

買取保証をしているすべてを会社に当てはまるという話でももちろんありません。

 

ただ買取保証をやっている会社の中には、時々こんな会社があったりするかもしれないとか、

 

不動産を売ろうと考えている人には、参考にしたい情報です。

 

買取保証という制度

買取保証は、不動産を売ろうと思ったら、最初は不動産会社と媒介契約を結んで、一定期間、一般の市場に出します。

 

そして、この値段で売りたい、と営業します。

 

そこで、万が一、その一定の期間の中で自分の売りたい不動産が売れなかった場合に、

 

その仲介をやった媒介契約を行った会社などが、一定の価格で買い取りますという制度です。

 

これに似たようなものを保障するシステム全部をひっくるめて、買取保証と言っています。

 

それぞれの会社によっては、微妙に細かい部分は違うかもしれないのですが、

 

一般的に不動産の買取保証は、一度は売りに出したけど、売れないから、最後は不動産会社が買い取る、ような形をとっています。

 

買取保証制度のメリットは3つ

買取保証制度のメリットとは、

  1. 期間が読める
  2. 最終的な売却金額がわかる
  3. 最後までワンストップでできる

という点です。

 

最後までの期間がわりと読みやすい、という点では、売りに出すのは、専任媒介契約を締結したとしたら、一定期間はたいてい3ヶ月ぐらいが多いんですね。

 

この時期というのが、いついつまで、というのが大体計算がしやすいんです。

 

だから、ずっと永遠に売れずに半年も一年も売れないですよ、ということにはならないんですね。

 

その一定期間が経過した後に、最終的にいくらくらいになるか、最低金額が確保されている、ということです。

 

またこの買取保証をするのは、ワンストップで、売りに出すところから、最終的な買取保証まで一つの会社にお願いできる、というところも、大きいメリットですよね。

 

媒介契約したら、ずっと一般に売るところ、最終的な買い取るところまで、1社で営業マン1人と窓口にしていればいいので、売主としても、話が楽です。

 

 

不動産を売却するのって、手間がかかるから、一人の営業マンで話が全部できると、楽ですよね。


 

 

買取保証のメリットは、ワンストップという点もあるんですよね。


 

ただ、この一つの会社で全部完結する、という売り主側のメリットは、不動産会社から見ると、どうなのか、という点があります。

 

買取保証は不動産会社にとって利益が大きい理由

 

不動産会社の方から見て、買取保証にはどういう仕組みで儲けているのか、という点ですが、

 

不動産会社からしてみれば、

 

  • 媒介契約で、一般市場に売りに出して売却が決まった場合

と、

  • 最終的に買取保証で買い取って、買い取った不動産を再販してリフォームをして売却が決まった場合

 

どちらが不動産会社の利益が大きいか、という点なんですね。

 

例えば、

 

物件の査定が2100万円だったとします。

 

最終的に成約価格が2000万円だった場合、これが普通の仲介会社の手数料は、

 

物件価格(2000万円)× 3%+6万円=66万円です。

 

これが、不動産会社の利益になるわけですね。

 

もし、この物件を買取保証をして、リフォームして、再販した場合は、不動産会社の利益が全然違ってきます。

 

買取保証をして、リフォームをし、再販をした場合、というのは、そもそもの不動産査定価格が安いんですね。

 

同じ物件だったとしても、2000万円で査定が出たから、買取保証も2000万円ということはありません。

 

買取保証での最初の買取価格とは、やはり1割ほど安くなるので、1800万円くらいになります。

 

まず、この点で売主にとっても2000万円で売れたものが、1800万円になってしまうデメリットが生じます。

 

2000万円-1800万円=200万円分の入ったかもしれない利益がなくなることが、確定するわけですよね。

 

一方、買取保証で買い取った不動産会社は、

 

1800万円で買い取って、100万円かけてリフォームしたとします。

 

そこで、物件自体がキレイになった分だけ、少し高めに売れると見込んで売りに出します。

 

そこで、2200万円で売れた、という結果になるんですね。

 

不動産会社としては、かかったお金は1900万円です。

 

そして、売れた価格が、2200万円なので、300万円の利益が出るという計算になります。

 

  • 通常の売却をした場合 :66万円
  • 買取保証で売却した場合:300万円

 

もちろん、経費等の細かい点はありますが、不動産会社が利益を出すのは、

 

圧倒的に買取保証で買い取った場合の方がもうかる

 

というわけなんですね。

 

この2つの事例を見てもわかる通り、66万と300万の差があるわけです。

 

2倍とかいうレベルではないですよね。

 

買取保証で買い取って、再販する方が、かなりの比率で大きく儲かるんですね。

 

もちろん、この買取保証の仕組みを使ったら、全ての不動産会社が儲けを出すことができる。というわけではありません。

 

いろいろな経費や、想定していたように売れないこともあります。

 

一律に、買取保証をした売主が不利になって、不動産会社が利益を出し続ける、というわけではないんですね。

 

あくまでも一般的に、普通で不動産売買するよりも買取保証して再販する方が利益の額があって、かなり大きい利益が得られる、ということです。

 

買取保証をして不動産会社が利益を最大にすると売主が損する

 

売主が、なかなか売れなくて、買取保証を使って、不動産会社にやむなく売る。

 

そう考えると、なんとなく納得はできますよね。

 

でも、もし、不動産会社が売主よりも、自社の利益のことを優先して考えていたらどうでしょう。

 

この不動産会社が、自社の利益を最大にしようと思うときに、どうするのかということです。

 

不動産会社は、買取保証をすることで、売主の利益よりも不動産会社の利益を優先させることができるんです。

 

例えば、先ほどの例の結果は

  • 通常の売却をした場合:66万円
  • 買取保証で売却した場合(:300万円

でしたよね。

 

これを言い換えると、

  • 3ヶ月間、がんばって営業して売れたら:66万円
  • 3ヶ月間、適当に流して買取保証したら:300万円

ということになるんですね。

 

つまり、がんばって3ヶ月間、不動産市場に回って、売却するよりも、

 

営業なんか頑張らずに、適当にのらりくらりやって、買取保証を使って再販した方が、利益が大きいかというわけなんです。

 

 

売主と自社の利益のどちらを優先しますか、ってことなんですね。


 

 

利益のことだけを考えると、不動産会社が買取保証をしますよね。


 

不動産会社が、売主と自社の利益、どっちを考えますか、ということなんですよね。

 

単純に利益だけを考えると、通常の売却より買取保証して再販した方が、不動産会社的にメリットはあるんですね。

 

もちろん、買取保証をやっている会社からすると、利益のことだけを考えている、と結論づけるとクレームがきます( ??? )

 

買取保証制度を利用した場合の売主のデメリット

売主が買取保証制度を媒介契約時にしたとしても、

 

不動産会社は、

 

「この3ヶ月間は、営業をしっかりして、一生懸命売りに出していますよ」

 

と言うはずです。

 

実際に、ちゃんと買取保証の制度を売主のためを持って使っている会社もあります。

 

ただ、買取保証の制度を利用すると、一部の会社では、最初の営業を手を抜いて、自社で売っていこうとする会社もあるわけです。

 

不動産買取保証の制度を売主が契約した場合のデメリットは、買取保証をする前の、不動産会社の営業活動がまるで読めない、という点です。

 

悪意のあろうがなかろうが、どこの不動産会社も、売りに出している間に、売主が問い合わせると、

 

「ものすごく一生懸命、売却できるように、やってますよ」

 

と言います。

 

直感的に、「普通に営業していて、一生懸命やらない不動産会社は問題だ」っていうことですよね。

 

ところがです。

 

買主側の方から見ると、売却活動をしっかりしていないようにも見えたりすることがあります。

 

たまたま買い手がチラシ等で、「この不動産を一度見てみたい」と問い合わせた時に、わかるんですね。

 

買い手も、不動産会社を通じて、売主の不動産会社に、

 

「物件の内見をしたいんですが」

 

と連絡をします。

 

ところが、いろいろな理由をつけて、内見を断られることも、それほど珍しくなくあったりします。

 

いろいろな思惑があるのかもしれません。

 

よくあるのは、両手狙いのために他社を入れたくない、という不動産会社の理由ですね。

 

ただ、理由として、売主が買取保証制度を使っているので、買い手をつけたくない、という理由があるのかもしれない、ということです。

 

こうなると、売主には、媒介契約をした不動産会社の営業活動はわからないですよね。

 

どんなに売主の仲介会社が「一生懸命やってます」を連呼していたとしてもです。

 

買取保証をした不動産会社が、背後で、実は営業していなかったり、妨害していることがあったりしても、その内容は、売主側には、残念ながら実態がつかめない、ということになるのは、デメリットです。

 

どうしても、買い手との取引の打ち合わせや、内見の問い合わせなどは、見えないところが多いんですね。

 

売主がそういったところを把握するというのは、残念ながら難しいです。

 

買取保証を実施している会社のすべてが、

  • 最初の売却の営業活動を適当にやっている
  • 買主側の仲介会社から理由をつけて断っている

というわけではありません。

 

ただ、会社の利益を考えるために、そう対応する余地はあるし、そうなるための理由もちゃんとあるんですね。

 

買取保証で売主として損しないための対策

 

買取保証を最初に使ってしまうと、売主が損をしてしまう可能性はどうしてもありますよね。

 

では、対策としてどうすればいいのか。

 

それは、最初は媒介契約を一般媒介契約にする、ということです。

 

一般媒介契約の場合、複数の不動産会社と売却の契約ができるんですね。

 

不動産の売却の契約を、一般媒介契約にすると、なかなか買取保証制度を結ぼうとする不動産会社はありません。

 

一般媒介の場合は、とても買取保証はできませんよ、と言われるはずです。

 

そこで、3ヶ月間一般媒介契約を結んで、

 

売れなかったら、その媒介契約は全部白紙にして、今度買取保証する会社と個別に、複数の会社と交渉する

 

そういう段階を踏む方がいい、ということです。

 

不動産会社同士で、お互いが競争するように仕組みを組んでいくというようなやり方ですね。

 

その場合、確かにワンストップではないので、面倒です。

 

売り主としても、複数の会社とやりとりをすることも多いです。

 

ただ、シュミレーションした結果でもわかるように、数百万円単位でのお金の差がでる可能性があります。

 

同じ物件なのに、百万近いマイナスになる可能性がある金額の差が出てしまうのに、

 

ちょっと面倒だから見過ごしてしまうのもどうかとは、思います。

 

ただ、もし、売却価格は安くてもいい、とりあえず早く売りたい、というのであれば、業者買取で売却する方法もあります。
不動産売却で業者買取の場合でも失敗しないで売却する方法とは

 

真面目に買取保証をしている会社からすれば、迷惑な話ですが、一部に制度を悪用する会社があるので、対策は必要です。

 

どうしても、売主から見ると営業活動が見えないのがネックです。

 

言い換えれば、営業活動が手に取るようにわかるのであれば、最初から買取保証制度を利用してもいいかもしれません。

 

不動産売却に、余裕があるなら、いきなり買取保証はしない方がいい、という結論ですね。

 

今、不動産を売却しようとしている、媒介契約を結んで売却活動をしているなら、一度、適正な査定価格を知っておいた方がいいです。

 

複数の不動産会社の価格を照らし合わせることによって、自分にとって最適な会社が見つかります。

 

1分程度の1回の入力で、完了します。

 

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