衝動買いして後悔することは避けたい
不動産って、高額な商品ですよね。
「今だけ限定!」と言った言葉に弱く、つい買って失敗したとしても、それが小額の商品だったらあきらめもつきます。
「限定」って聞くと、つい衝動買いしてしまいますしね。
実は不動産でもこの手の表現はよく出て見ることがありますよね。
家などは数千万円もする買い物なので、あきらめはなかなかつかず後悔だけが残ることになるので、慎重によく見て判断したいところです。
不動産営業マンの巧みな言葉を研究してみました。
規制が多い不動産業界での広告
例えば、新聞の折り込みチラシで
- 「激安物件」
- 「お買い得です」
- 「この地域では格安です」
- 「特選物件」
- 「当社だけ」
という言葉があれば、たいていの人は心がゆらいでくるものです。
ところがこうした大げさな表現は不動産関連業界では規制されているのです。
それは、宅地建物取引業法、不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)、不動産の表示に関する公正競争規約(自主規制ルール)によってです。
原則として使ってはいけない言葉があります。
それは
「完全」「完璧」「絶対」「万全」「日本一」「日本初」「業界1」「超」「当社だけ」「他に類を見ない」「抜群」「特選」「源泉」「最高」「最高級」「特級」「極」「掘り出し物」「買い得」「「土地値」「格安」「投売り」「特安」「激安」「安値」「バーゲンセール」「完売」
数年前の不動産不況時にすることも多かった「5000万円→4800万円」「○○万円の値引き」といった二重価格の表示も原則禁止になっています(建築後2年以内の建物で「旧価格」の公表時期や値下げの時期を明示するなどの一定の要件を満たした例外ケースを除く)。
チラシは宣伝のツール
広告は、その不動産業者の営業姿勢の表れです。
残念ながら新聞の折り込みチラシまではチェックが行き届いていないので、違法の疑いがある場合は取引を避けたほうが無難です。
電柱によく貼ってあるみ直的な看板広告も、おとり広告の可能性があります。
だいたい電柱に広告をくくりつけること自体が違法の可能性が高いのでくれぐれも慎重に判断したほうがいいです。
→電ビラ|不動産の未公開情報が電柱にビラ広告として貼ってある理由
チラシは建物が完成した状態を正確に伝えるものではない
最近では、物件が完成してからの分譲開始も増えてきました。
でも、やはり一番多いのは完成前の建物を 「青田売り」(着工直前、建物の完成前からマンションを販売するやり方)する販売方法です。
そのため、チラシは必然的にイメージを前面に打ち出したものが多くなりますが、そこで夢を見させるような戦略に乗ってしまわないことです。
当然建物は完成していないわけですから、完成予想図がきれいなイラストなどで表現されています。

近隣環境としてイメージの良い公園などが紹介されますよね。

イメージですからね。
実際には結構離れているケースもありますので確認する必要があります。
キャッチコピーとして、大きくセールスポイントが表記され目を奪われますが、むしろチラシの端などにある小さな物件情報・販売形態などが重要になります。
大きな文字に目がいっちゃって、大事な情報のチェックがおろそかになることがないようにしましょうね。
チラシは葉客のためのツール。すべての情報が載っているとは限らない
チラシには、してはいけない表現方法の取り決めや最低限掲載しなければいけない項目が決められています。
しかし、それ以外の情報については必要最低限しか、掲載されていません。
なぜなら、情報量を多くしすぎると顧客がチラシだけで判断し、販売現場(モデルルーム)などに足を運ば なくなってしまう恐れがあるからです。
あくまでもチラシは集客のためのツールの一つと思っていたほうがいいです。
不動産業者のイメージはギトギト
不動産の売買をする時にしばらく付き合うことになるのが不動産業者です。
不動産業者の営業マンといえば、希望にピッタリの物件を探して、親身になって行動してくれる!なーんて思っている人はほとんどいないはず、です、ね。
現実には親身になってくれる営業マンもいるのかもしれませんが、一般の人が不動産業者の営業マンに持っているイメージは
買わせようとする人
なのではないでしょうか。
ギトギトした油を顔に塗って、いかにもガンバってます系。
不動産営業マンから見たお客さん
では、実際の不動産業者の営業マンの方から見ると、どうなのでしょうか。
例えば、マンションギャラリーに行って、営業マンに会ってから、まず予算や物件の条件を営業マンに聞かれますよね。私も記憶にあります。
そして、営業マンはヒアリングシートに希望と、お客さんの情報を記載していきます。
そこには、購入を希望する部屋であったりとか、
他の希望する物件のマンションなどや、
現在の住まいや賃料、いつ購入を検討しているのか、
勤務先、夫婦の年収や貯蓄額
などを記載します。
この時、営業マンは勤務先、貯蓄額、年収で客の優先順位を決めています。
購入が有望なお客、普通のお客、後回しのお客など順位付けしています。
不動産業者は、単純に予算が高めの人はこの物件、予算が低めの人はこの物件、といった機械的な仕分けしか考えません。
これは 営業マンのノルマ が密接に関係しているからです。
不動産の営業は、ほとんどの場合歩合制になっています。
月でいくら売り上げなければならない、というノルマが課されていて、とてもシビアなのです。
ノルマが未達成だと、給与でかなり収入源になってしまって、休日を返上してでも契約を取るようにがんばったりします。
マンションなどの住宅を売る契約が取れるかどうかは、営業マンにとっては死活問題なんですね。
不動産業者は形式的には宅地建物取引の専門家ですが、お客さんとの関係は営業マンとしてのスタンスです。
だから、「不動産屋に相談しても理解してもらえない」という話も出てくるのです。
そもそも、ノルマに縛られた身としては、売りたい物件を売るほうが効率もいいので、お客さんの意図を引き出すヒヤリングをして、一緒にコンセプトを考える時間がないのです。
もしも、2回も3回もノルマが達成することができないとどうなるか。
上司からお怒りや罵倒されたりする会社も少なくありません。
強制的に退社させられたりもします。
こういった状況下に置かれている営業マンなので、お客は年収や貯蓄額を見て優先順位をつけるのです。
後回しのお客は、そもそもマイホーム購入が難しいから後回しにされます。
だから、マンションギャラリーや住宅展示場、不動産業者のカウンターでヒヤリングシートなるものを書いた時点で、ランク付けされている、と認識したほうがいいです。
お客さんの方が営業マンをうまく使うには
不動産営業マンがお客さんのために行動してくれないのは、お客さんからの質問が的を得ていないからかもしれません。
質問が的を得ていないから、営業マンが売りたい部屋や物件を売り込んでくる・・・・ある意味で当たり前です。
もちろん適切な質問を引き出すヒヤリングをしてくれるのがプロの仕事だとは思いますが、あくまで不動産業者は不動産を売る営業のプロであって、コンサルタントではありません。
だから、ネットの検索と同じで、検索結果の絞り込みはこちらの責任で考える必要があるのです。
少なくともそう考えた方が、後々の結果が良くなるので、少しだけがんばって主体性を持って不動産の売買に関わるといいです。