シロアリとゴキブリ駆除に効くホウ酸
シロアリに建物を食い尽くされると建物が倒壊してしまうほどの被害に会ってしまいます。自宅の耐久性を高めるにはシロアリの対策を万全にすることも重要です。
シロアリは「昆虫網ゴキブリ目シロアリ科」で、アリの仲間ではなく祖先はゴキブリと一緒なのです。シロアリとゴキブリがごく近い親戚筋だったんです。
そのゴキブリ退治に効くというのが「ホウ酸」です。「ホウ酸だんご」などはゴキブリホイホイなどでも見かけますよね。
このホウ酸はものすごく軽くて硬い物質で、鉱物でありながら消毒性があるので、ホウ酸だんごのように防虫剤に使われたり、目の洗浄液として使われたりして、日常でもよくお目にかかるものです。
ホウ酸にはゴキブリやシロアリなどを死滅させる働きがあるのです。
シロアリがホウ酸処理された木材を食べると死に至るのはもちろんですが、たとえ直接口にしなくても、結果としてホウ酸を摂取させることができます。
それは、ゴキブリやシロアリはグルーミングする習性があるからです。
ゴキブリやシロアリがホウ酸を加圧注入処理した木材の上を歩くと、足にホウ酸がつきます。グルーミングで足を舐めるとホウ酸が口に入って、そのゴキブリやシロアリは脱水症状を起こして死にます。
ゴキブリなら半日から3日程度です。体内に肝臓を持たない昆虫は、ホウ酸の毒性を分解できないで死に至るということらしいです。
また、たとえ口にしなくても、気門(呼吸する穴)を通じて体内に取り込まれるので、これで死に至ります。
ゴキブリやシロアリは仲間の糞を食べる習性があることもホウ酸による駆除に役立ちます。ホウ酸を口にした仲間が巣に帰ると仲間全体にホウ酸の効き目が連鎖するためです。
ちなみに、ホウ酸は揮発性がなく、室内の空気を汚染しないで、効果が長続きするので、シロアリやゴキブリの他にも、ダニや木材腐朽菌の繁殖防止や、カビの発生防止など多岐にわたって効果があります。
そんな家に被害を与えるシロアリは、主に、ヤマトシロアリといえシロアリです。
この他に、乾いた木材を食べるカンザイシロアリの仲間として、アメリカカンザイシロアリとダイコクシロアリの被害も増えています。
シロアリはいずれの種類も、日当たりが悪くて暖かいところ、ジメジメと湿気が多い場所を好みます。台所や洗面所、トイレ、風呂場の他に、換気の悪い床下で土台などに被害が発生することが多いんです。
シロアリ被害は、発生してからの対処が簡単ではありません。シロアリに食べられてから家の土台を取り替える、といったことが簡単ではないからです。
何といってもシロアリは予防が大切です。シロアリ対策をしていれば少なくとも防虫被害でやられずに、自宅は長持ちします。