住宅ローンは最初ほとんど利息の返済
繰り上げ返済すれば払う利息はかなり減る
住宅ローンは毎月同じ額を、数十年間、支払い続けることになりますよね。
住宅ローンが元利均等方式だと、最初のうちはほとんどが利息の支払いにあてられます。
そこで、繰上げ返済をすれば、その期間が短縮されて、さらに利息にあてられる割合が減り、元金にあてられる割合が増えていきます。
住宅ローンは投資の原則に当てはまらない?
住宅ローンってずっと返す額が最後まで変わらないんですけど、住宅ローンの支払い金額の内訳 は最初と最後でずいぶん変わっている、って聞いたことがあります。
確かに、住宅ローンを返済するほとんどの人は、元利均等方式という返済方法を利用しているので、一定の金額でずっと返すことになります。
ただ、内訳は、最初のうちのほとんどが利息です。
利息の方が減るのは、金額や利率にもよりますが、返済期間の3分の1を過ぎてくらいからのことが多いです。
経済学の常識では、インフレになると金利が上がるので、お金を借りるコストも上がります。
なので、住宅ローンなどは金利が低いうちにたくさん借りて、手持ちの現金を増やして、インフレで値上がりが期待できる金融商品に投資するほうがいい、という意見があります。
でも、本当にそうなのでしょうか。
低い金利の住宅ローンなどを金利が上がらない固定金利で借りて、一方でインフレに強い金融商品で運用する、ということは一見すると合理的な選択のように思えます。
ところが、実際には必ずしも合理的な選択にはなりません。
なぜかといえば、住宅ローンを借りているほとんどの方は、元利均等方式で借りているからです。
住宅ローンの繰上げ返済で払うべき利息が減る例
元利均等方式は、常に返済が一定額になる支払い方式です。
例えば、3000万円の住宅ローンを3%で35年間借りる場合、月々の返済額は11万5455円です。
これは、ローンを払い終える35年後まで変わりません。
ただ、この返済額の中身を見ると、最初の方で利息をたくさん支払って、後になるほど元金の支払い割合が多くなっています。
例えば、1ヶ月目に返済する11万5455円の内訳は、
- 元金分が4万455円
- 利息が7万5000円
です。
1年後でも、
- 元金分が4万1582円
- 利息が7万3873円
と圧倒的に利息を多く払うことになります。
つまり、同じ金額を返済していても、最初は利息ばかり払っている状況なのです。
この場合、元金の支払いの方が利息を上回るのは12年目です。
だとすれば、この利息ばかり多く支払っている期間を短くするのはとても合理的な方法、ということになります。
それができるのが住宅ローンの繰上げ返済なんですね。
先ほどの住宅ローンを借りている人が、手元に300万円持っていたとして、もし、この3000万円で住宅ローンの返済期間を短縮する繰上げ返済をすると、払わなくてはならないはずのローンの利息が確実に483万円減ります。
300万円出して支払う利息が483万円減るということは、300万円投資したお金が738万円になるのと同じことです。
この場合、月々の返済額は変わらずに返済期間が5年ほど短くなります。
そうなると、定年退職後まで住宅ローンを払い続けなくてはならない、といったげんなりした気持ちはかなりの確率で減るわけです。
もし、この300万円を他の投資方法の株に投資していたとして、783万円になるのでしょうか。それを考えると、借りたばかりの住宅ローンを繰り上げ返済するということは、最も確実なのです。
住宅ローンを返済すると、今の自宅に担保がついていないことになって、物件査定をすると正確な財産の価値がわかります。
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