住宅ローンを退職金で一括繰上げ返済?団信はどうなる?

家売るNAVI

退職金の使い道は一括返済だけ?

 

老後の住み方を2世帯同居で考えるにしても、夫婦だけで住み続けるにしても、退職を前に検討しておく課題があります。
それは完済していない 住宅ローン をまだ抱えている場合の返済のしかたです。

  • 退職金で残りのローンを一括返済してしまうのがいいのか、
  • それとも部分返済にとどめて手元資金を残したほうがいいのか

悩む人は多いです。

 

二世帯住宅の新築をするのに、親子ペアローン、リレーローンを組む場合は、既存のローンを借り換える、という方法もあります。

 

総務省の「家計調査年報2014」によれば、無職の高齢夫婦に二人の世帯では、
月々の消費支出は、およそ24万円、
税金や社会保険料など非消費支出はおよそ3万円、
合算すると、月27万円ほど支出するのが平均になっています。

 

一方で、年金などによる実収入は月21万円弱。
6万円程度の不足があります。
その穴埋めは、手元にある預貯金や退職金から払う、ということになります。

 

こうした定年後の家計状況を把握して、老後を豊かに暮らすことに問題がない、とわかったら、住宅ローンを繰り上げ返済したり、二世帯住宅用の借り換えをしてもいいかもしれません。

 

繰り上げ返済には、残高を一度に完済する「一括繰り上げ返済」と、返済の負担を軽くする「一部繰り上げ返済」の二通りがあります。

 

さらに、一部繰り上げ返済の中には「期間短縮型」と「返済額軽減型」の二つのタイプに分けることができます。

 

金銭的な損得だけで考えると、一括返済がもっともお得です。
仮に残高が1200万円、残りの返済期間が10年、金利が3%固定だとすると、一括繰り上げ返済のケースでは、およそ190万円の利息の支払いを減らすことができます。

 

「団信」による安心もポイント

 

しかし、住宅ローンにはローン完済までの「団信(団体信用生命保険)」が加入時にセットにされていることが一般的です。
一括繰り上げ返済すると、その時点で団信は終了してしまいます。

 

仮に、その後、主契約者だった世帯主が亡くなってしまったら、残された家族は少ない手元資金で窮屈な生活を余儀なくされるかもしれません。

 

万が一の時の団信が継続する一部繰り上げ返済を選択して、退職金をある程度残すのも、選択肢としてはアリです。

 

次に、一部繰り上げ返済の期間短縮型と返済額軽減型を500万円を繰上げ返済するケースで比較してみることにします。

 

「期間短縮型」では、返済期間を10年から5年6カ月に短縮することができて、利息の軽減額はおよそ129万円です。
「返済額軽減型」では、残りの10年の返済期間は変わりませんが、月々の返済額を11万5455円から6万824円に軽減できます。
ただし、利息の軽減効果はおよそ79万円で、返済額軽減型は期間短縮型の6割程度の利息軽減効果です。

 

利息の損得で考えると、期間短縮型の方が返済額軽減型より有利です。
他方で、軽減した月々の返済を家賃などと同じ住居費に捉え直すと、返済軽減型には団信による安心のある生活をより長く送ることができるメリットがあります。

 

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